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  • RICOH GR 製品レビュー

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    気が付けばいつの間にかお盆休みも終わり、またいつもの日常が戻ってきましたね…。

    ここ最近、レビュー用のフィギュアの発売がないのをいいことに、新しく買ったカメラに夢中になっておりました…。ブログ放置の懺悔も兼ねて使用感などを簡単にレビューしたいと思います。

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    管理人のポケットの中の新しい相棒、それはきりりん氏こと高坂桐乃…ではなく、RICOH GRです。

    5月に行われた『GR 体感&トークライブ』の様子はこちらでレポートしましたが、その後GRが発売された後もなかなか購入には至っておりませんでした。日常的に持ち歩くポケットカメラが欲しいなぁとはずっと思っていたのですが、値が張ることもあって、踏ん切りが付かなかったのですね…。サブ以前にメインをどうするか?という事の方が重要、と考えていました。

    ところが、です。

    夏のワンフェスを終えて、今年後半から来年にかけての機材計画をぼんやり考え始めたところ、劇的な画質向上を求めるのであれば、やはりフルサイズ一眼レフの導入は必須なのかなぁ…とか、悲しい現実に打ちひしがれておりました…。そうなった場合、いつ登場するのかはっきりしないリコーイメージング(PENTAX)のフルサイズ機を待つか、現状手に入るニコンやキャノン、ソニーのフルサイズ機を導入するか、という選択になります。もちろん、現状のAPS-Cフォーマットのままでボディをちまちまアップデートしていく、という方法もひっそりと残されています。

    これは…簡単に結論を出せない…!!

    結局、メイン機材のアップデートにはある程度の検討期間が必要だな、という事が分かったため、今年はサブの機材を先に強化してしまう事にしたわけですね。安くなったとは言え、マウントを変更してフルサイズに移行する場合、レンズを含めて40~50万円は軽くかかりますので、そりゃ今年は無理だ、と結論付けたわけです。ちゃんちゃん。

     

    購入に際し重視したポイント

    サブ機の購入に際して重視したポイントは以下の通りです。常時持ち歩くポケットカメラを想定しており、メインであるK-5を置き換えるためのものではありません。K-5と同時に使用する場合を想定すると、「ポケットに入る」というのは結構重要なポイントなんですね。(首には一眼レフを下げるため)

    • 携帯性(条件=ズボンのポケットに入ること)
    • 画質・写りの良さ(K-5と同等程度の画質なら文句なし)
    • 操作性・グリップしやすさ(首から下げずに使うことを想定)
    • 高感度性能(条件=手持ちで夜景が撮れる)
    • 展示フィギュアの撮影にも使えること(ちゃんと考慮!)

     

    サブカメラとして検討した機種

    以下5機種を候補として選定し、様々な角度から検討しました。全ての実機に触って実際に操作をしてみたり、様々な作例を見たりして検討しました。個人的にサブとして持つならGRで決まりかな…という思いがあったのですが、周囲を見回してみると色々なカメラがあるもので、面白そうなのできちんと比較検討してみることにしました。結果的にGRを選択しましたが、それぞれのカメラに独自の良さがあり、予算が許すなら使ってみたいカメラばかりでした。

     

    5機種中2機種が最終候補に残った

    選定した5機種の実機をベタベタと触ってみたり、Webから作例を見つけてきては眺めたりして、候補を2機種に絞りました。条件に照らし合わせ、候補から外した機種とその理由は以下のようになります。

    • PENTAX Q…装着するレンズにもよるが、ポケットに入れて持ち歩くには少々難がある。
    • FUJIFILM X20…とても魅力的なカメラだが、ポケットには入る大きさではない。
    • Canon PowerShot S110…ポケットには入るが、高感度画質に若干不安がある。

    ポケットに入るかどうかで除外したカメラが2機種、ポケットには難なく入るものの、画質面(特に高感度)で除外したカメラが1機種という結果に。最終的にGRとRX100が候補として残りました。S110の高感度画質はコンパクトカメラとしては健闘していると思いますが、センサーのサイズが小さい点が気になりました。GRとRX100は、携帯性・画質共に良好で、この2機種のガチンコ勝負となりました。

     

    グリップのしやすさと高感度時の解像性能が決め手に

    GRとRX100の最終選定では、高感度時の画質とグリップした感触、操作感などが決め手となり、結果的にGRを購入する事にしました。

    GRは単焦点(光学ズーム無し)、一方RX100は3.6倍のツァイス製ズームレンズ搭載で価格はGRの約半値…。普通に考えればRX100を選ぶのが妥当だよなー、と思うのですよ。使い方の幅を考慮するならば、ズーム付きのRX100の方が良いに決まっているのです。ですが、管理人はGRを選択しました。※相当な変態さんですね。決め手となった理由をまとめると以下のようになります。

    1.高感度時の画質はGRの方が有利と思われた

    GRとRX100のサンプルを見比べた際、より大きなAPS-Cセンサーを搭載するGRの方が画質面で有利と判断しました。この場合の「画質」というのは、ノイズの多い少ないだけではなく、ディテールの解像性能の比較も含んでいます。(レンズ性能+ローパスフィルターの有無など)

    一般に、高感度時の画質というのは「センサーサイズ」に比例して向上していきます。35mmフルサイズセンサー搭載機がAPS-Cセンサー搭載機よりも数段分高感度に強いというのも、結局はセンサーサイズの差によるところが大きいわけですね…。1インチセンサー搭載のRX100も健闘していましたが、ISO1600や3200のサンプルを見た限りではより大きなAPS-Cセンサーを搭載するGRの方が有利かな、と思いました。

    2.グリップしやすいボディと片手で操作可能なダイヤル配置

    実機を手に持って触った感触で、どちらがしっくり来るか?を比べた結果、自分にとってはGRの方が扱いやすいかなと感じました。ラバー巻きのグリップは少々かさ張りはするものの、手に持ったときに安心感がありますし、指のかかりも良いです。また、ダイヤルやボタン類が全てボディ右側に集中してレイアウトされているため、右手だけで操作可能というもポイントでした。ポケットからさっと取り出して電源を入れ、素早くフレーミングしてシャッターを切る、これらの動作が片手で不安なく行える点は評価できるかなと思います。さすがは「速写」を重視したスナップシューターといったところです。

    ……で、悩んだ末に無事に購入して、ずっと弄って遊んでたわけですね。フィギュアも撮らずに。※ごめんなさい

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    可愛い奴よのぅ…。

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    おっきした!えろーい! ※えろくありません。

    それでは、製品の外観と実写サンプルをご覧頂きましょう。

     

    外観

    ■正面

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    少し大きくなりましたが、GR DIGITALシリーズのデザインを踏襲。レンズまわりの「GR」の文字が赤くなったのが印象的でした。トレンドを追ったデザインではないのかも知れませんが、逆にそれがGRの良いところでもあります。

    ■背面

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    ボタン類が全てグリップ側にレイアウトされているのが特徴的。片手で素早く操作が可能。

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    レンズバリアを内蔵しているため、レンズキャップは必要ありません。ここ、重要。

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    電源をONにすると鏡筒がせり出してきます。

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    ストロボをポップアップしたところ。使用する機会は限られると思いますが念のため。

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    側面にはストロボをポップアップさせるスイッチとEffectボタンが。このボタンには様々な機能を割り当て可能です。

     

    実写サンプル

    では実写の作例をご覧頂きましょう。基本的に全てRAWデータをLightroomで現像したものになります。flickrにオリジナルサイズのデータをUPしてあります。

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    ライトの表面に付着した細かなチリや、リムの部分の汚れなど、相当細かい部分まで描写されています。ピントが来ている部分は限りなくシャープで、そこからなだらかにボケが続いていく印象。

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    ローパスレス機の泣き所として、モアレが発生しやすいという弱点もあります。繊維の細かい布地などを撮ると発生しやすい印象。

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    高感度ではノイズも増えますが、ISO800程度なら十分常用の域に入ります。

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    以下の写真のオリジナルサイズはこちらにUPしております。

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    広角のGRで花などの小さな被写体を撮るのはなかなか難しいのですが、マクロでぐぐっと寄ればこんな写真も撮る事は可能です。センサーが大きいため、ボケを活かした撮影が楽しめます。

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    ローパスレスという事もあり、画像周辺部までキッチリと解像する高い描写性能を誇ります。メインであるK-5との画質比較をこちらにUPしてありますが、GRは一眼レフと同等か、それ以上の描写性能を持っているのは明らかです。K-5の立場はいったい…。

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    秋葉原にも行って来ました。らしくなってきた!!

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    高感度ノイズについて

    以下の階段の写真はISO3200にて手持ちで撮影したサンプルデータです。さすがにISO3200ともなるとノイズはかなり増えますが、細部の解像感が損なわれていない点は評価できると思います。ノイズリダクションを強くかければ見た目は綺麗に仕上がるのですが、ディテールの情報がどんどん損なわれて「のっぺり」とした画像になってしまいます。ある程度ノイズを残してでも、細部の情報は保持したいなと思っていたり。

    ■RAWデータをLightroom4で読み込み、そのまま書き出したサンプル(右は部分拡大)

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    ISO3200ともなるとノイズは多いですが、階段の落書きや鉄網の部分など細かい部分まで解像しており、コンデジとは思えない程の写りの良さを感じます。ノイズの粒も揃った感じで好印象。現像時のNR処理で「実用」に足る画像に仕上げることができそうです。

     

    ■RAWデータに対してLightroomでノイズ軽減処理したサンプル(右は部分拡大)

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    ディテールを損ない過ぎないようにLightroomで現像してみました。カメラ内で生成されるJPEGよりも見た目のノイズは多いのですが、細部の解像感は出来るだけ残すようにしています。

     

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    あ!と思ったときにサッと取り出してシャッターを切れるのがGRの良いところですね。

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    都市部の明るい夜景であれば、手持ちでバンバン撮影可能です。個人的には、ISO3200までなら十分実用範囲に入ると感じました。そのため、AUTO-HIモードのISO感度上限値をISO3200、切り替えシャッタースピードを1/125と少し高めに設定しました。GRには手ぶれ補正が付いておりませんので、SSは片手でラフにシャッターを切っても(おそらくは)ぶれないであろう安全圏に設定しています。1/40だとブレブレの写真を増産してしまうという情けない有様なのです…。

     

    展示フィギュアの撮影

    あまり頻度は高くはありませんが、店頭に展示されているフィギュアを撮影することもあります。平日に早く仕事が終わったときなどに秋葉原に寄ることもあるかも知れません。ポケットの中にGRがあれば、展示フィギュアの撮影も可能なのだ!(キリリッ!)

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    例えば↓こちらの写真ですが…

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    トリミング前は35mmクロップを使用しても↓こんな感じでした。

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    ズームがないと撮れない世界もあるのですね…。

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    フィギュア撮影

    レビュー撮影には使用しないと思いますが、マクロモードを使用すればフィギュアの撮影も可能です。最短でレンズ前10cmまで被写体に寄ることができます。GRは28mmの広角であるゆえ、フィギュアなどの小さな被写体を大きく写す場合にはマクロモードを使用してギリギリまで寄る感じになります。

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    上の写真のようなセッティングで、実際にGRで撮影した桐乃サン。レンズが広角なので、パース感が強く出ている感じがしますね…。被写体との距離が近いため、照明のセッティングが難しいかもしれません。

    三脚を使用して、スケールモデルも撮影してみました。

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    少し離れたところから正対して撮れば、何とか普通に見れるかなといった感じですね。

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    広角レンズ特有のパースペクティブ(遠近感)が強調された写真になります。開放寄りを使えばボケも楽しめますね。

     

    バッテリーと充電器

    GRの明らかな欠点を上げるなら、標準でバッテリーチャージャーが付属していないという事でしょうか。カメラに繋いで充電するケーブルが付属しているだけで充電器が付属していないのです。仕方ないので追加で買おうかと思って検索していたら、他社製品でも使えるものがあるという事が分かり早速購入してみる事に。バッテリーの持ちがあまり良くないので、予備バッテリーも合わせて注文しました。

    純正品を買うのが筋かと思いますが、高いんですよ、純正は。(おぃ

    ※問題なく使えていますが、おそらく保証の対象外となりますのであくまで自己責任でお願いします。

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    購入したのはSIGMA製のBC-41(チャージャー)とBP-41(バッテリー)。他の互換バッテリーを買うよりは安心かと思います。

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    中身はこんな感じです。最初から付けてくれればいいのに…。

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    GRの純正バッテリー(DB-65)と並べてみると…内容的にはSIGMA製バッテリーとまったく同じもののようですね…。普通に、使えますけどw。
    バッテリーの持ちが一眼レフほど良くはないので、予備バッテリーは一つあった方が良いかなという気がします。純正を使うかどうかは悩んでくださいませ。(笑)

    ■純正品

    ■SIGMA製

     

    まとめ

    さて、長々と書いてきましたが、実際に使ってみて感じたGRの印象をまとめると次のようになります。

    ■GRの良いところ

    • コンパクトで軽く、レンズキャップレス。ズボンのポケットに入る。
    • 起動が高速。サッと出してパッと撮れる。(さすがはスナップシューター!)
    • 操作レスポンスの早さ。マクロ以外でならAFは高速。
    • ボタンやダイヤル類がグリップ側にまとめて配置されており、右手だけで素早い操作が可能。
    • ラバー素材を使用した握り易いグリップ。(街中で片手で振り回しても安心)
    • 隅々までキッチリ描写する高い解像性能。(APS-C一眼レフと同等かそれ以上)
    • 必要充分な画素数(16MP)
    • 大型センサーならではのやわらなかボケ描写(表現力豊か!)
    • 歪曲の少ないレンズ性能
    • 絞り開放からシャープな描写(被写界深度は浅くなるが、ピント面は開放からシャープ)
    • 高感度時の高い解像性能(ノイズは増えるが、ディテールまでしっかりと解像する)
    • ボタン・ダイヤル操作に関する細かなカスタマイズが可能
    • トリミング扱いではあるが、35mmクロップ機能は非常に便利(だが解除し忘れる事も度々ある)

    ■GRの弱点

    • 手ぶれ補正が付いていない(→次期モデルではぜひとも搭載して欲しい)
    • 単焦点(コンセプトがスナップ機なので仕方ないが、ズームが欲しいときはやはりある)
    • マクロ時にあまり寄れなくなった(レンズ前約10cm)
    • マクロ時のAFは迷いが多く、やや遅い
    • フォーカスエリアの移動が若干面倒
    • 顔認識AF等のトレンド機能が非搭載(まぁ、必要ないが…)
    • ローパスレスのため、モアレ・偽色が発生する場合がある
    • シリーズの伝統であるが、やや無骨で地味なデザイン(トレンドを追っていない…)
    • バッテリーの持ちが良いとは言えない
    • バッテリー充電器が付属しない(→改善希望!!)

     

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    といった感じで、新しい相棒との蜜月はまだまだ続きそうです…。面白い使い方を思い付いたらまた記事にするかもしれません。

    「RICOH GR 製品レビュー」をお送りしました。

     


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